あれは『FUJIFILM X-T2』を使い始めて10日ほど経ったときのこと。カメラのお手入れをしようとレンズを外したとき、なにやら様子がおかしいことに気がつきました。
センサーの周囲の黒い部分に、樹液のようなものが。よく見るとセンサー自体にもうっすらと白くなっている部分が見受けられました。
細心の注意を払いながら、その樹液のようなものを拭いてみました。
だんだんと膨らんでくる嫌な予感。
これはどうやら修理に出さないとダメっぽいぞ。
新しいカメラを手に入れて舞い上がっていた僕の気持ちは、音を立てて急速にしぼんでいったのでした。
原因を考える
落ち込んでいても仕方ない。まずは原因を特定し再発防止に努めるしかありません。
最初に考えたのが、買ったばかりだし、最初からこうなっていたんじゃないか疑惑。でもこれはさすがにありえないだろうなー。いくらなんでもこの状態のものが出荷基準をクリアするとは思えません。
もう一度よく見てみる。
そう、樹液のようなものはよく見ると、プラスチックが熱で溶けたみたいな感じになっています。
となると考えられるのは、レンズを通して入ってきた太陽の光のせいなんじゃないかということ。
原因は誰しも子供の頃一度はやったことがあるだろうアレだった
あなたも経験があるはず。虫眼鏡で紙を焼いたことが。
凸レンズを使って太陽の光を一点に集めると、ものすごく熱くなって紙が燃えるというあれ。
あれと同じことがカメラのなかで起きたと考えられます。
一眼レフとミラーレス機の違い
今まで一眼レフをずっと使ってきて、こんなことは一度もありませんでした。それはカメラの構造を考えれば実は当然のこと。
一眼レフはレンズから入った光がカメラ内部のミラーによって反射し、ファインダーに向かいます。シャッターを押した一瞬だけミラーが跳ね上がって露光するわけですね。
一方のミラーレス機は、ご覧の通りミラーがないので、光は剥き出しのセンサーに直接当たるわけです。
このときセンサー上で太陽が結像したら。
さっきの虫眼鏡と紙で起きたことと同じことが、レンズとセンサーで起きてしまうのです。
こわっ!
ネットで調べたところ、他にも同じ症状になっている人がいました。
実は昔からよくあることだった
フィルムカメラの時代、一眼レフが普及する前は、ライカのようなレンジファインダーという種類のカメラが多く使われていました。このレンジファインダーもミラーがないカメラなので、太陽の光でシャッター幕が焼ける事故が多かったそうです。
なので移動中などはレンズを自分の体の方へ向けるのが常識だったんだって。
センサーを壊さないために
人物写真を撮る場合って、あえて逆光で撮ることが多いと思います。
そんなときミラーレス機を使っているなら、あまりもたもたせずにサクッと撮ることをおすすめします。長時間太陽の方を向けてない方がいいです。特に三脚に固定して撮るような場合は要注意。
実はミラーレスカメラの説明書を見ると、太陽を入れて撮らないよう注意書きがあります。
撮影時以外でも油断は禁物です。
電源を切っていても光はセンサーに当たり続けているからです。カメラをどこかに置いている時に、レンズが太陽の方を向いていたとしたら……。
撮らないときはレンズキャップを着けましょう。
さらにもうひとつ。
レンズだけじゃなくて、ファインダー側も要注意です。
ミラーレス機の場合はファインダーの奥に液晶が入っているので、ファインダーを通った光でダメージを受けることがあります。
センサー交換はかなりの出費になります。普段から気をつけて、大切なカメラを壊さないようにしましょうね。
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