写真が趣味な人にとっては共感してもらえるかもしれないけど、興味がない人にはどうでもいい話題かもしれないですが。
僕を悩ませる何mmのレンズをメインに使うか問題。(仕事じゃなくて日常で)
数字が小さいほど広い範囲が写って、大きくなると遠くのものが大きく写せます。
「ズームレンズ使えばええやん」
って?
それを言っちゃおしまいよ。
でもね。何ミリで撮影するのか。これはある意味哲学的ですらあるのです。
写真家たちの焦点距離
有名な写真家は「この人はこのレンズ」っていうのが決まってたりします。
僕が好きな写真集『未来ちゃん』を撮影した川島小鳥は35mm。
写真界のビッグネーム、アンリ・カルティエ=ブレッソンは50mm。
木村伊兵衛も50mm。
梅佳代も50mmだったな。
ウィリアム・クラインは28mm。
ジャンルー・シーフは21mm。
ダムに沈む故郷を撮り続けた増山たづ子ばあちゃんは38mm。
ついでに言うと『写ルンです』は32mm。
ほら。
欲しくなるじゃん?
いなっちょと言えば◯ミリだよね!
みたいなやつがさ!
どんな写真を撮りたいか
そもそもどんな写真を撮りたいかによって、必要なレンズは変わってきます。
運動会とかを撮りたい人が24mmのレンズを使ったら、選手は豆粒みたいにしか写らないし、インテリアの写真を撮りたい人が200mmとか使ったら、壁紙の凹凸感しかわかりませんな、みたいな写真になっちゃうわけで。
自分はいったいどんな写真を撮りたいのかなーって考えた時に、僕はやっぱり日常を普通に撮りたいと思うのです。
超広角レンズや望遠レンズっていうのは、肉眼で見るのとは全然違うふうに写るので、それだけで絵にインパクトがあるんですよ。
でもそういう写真は味付けの濃いご飯と一緒で、ずっと見てると飽きてしまうのよね。個人的には。結局ご飯と味噌汁が一番だなってなったりするのです。
肉眼に近い雰囲気で撮れるのは35〜50mmくらい
一般的に、肉眼でみた印象に近い雰囲気で撮れる焦点距離は35〜50mmくらいと言われています。
変に歪んだり遠近感がつき過ぎたりせず、クセがない描写。
逆に言うと、何を撮っても平凡な絵になりやすいともいえます。でもそれでいいじゃない。
50mmは標準レンズと言われ、50mmに始まり50mmに終わるみたいな、釣りで言ったらフナに始まりフナに終わるみたいなもので、とにかく奥が深い焦点距離。肉眼で対象物を意識して見ている感じに近いかな。とても自然な写り方をして、僕もすごく好きな焦点距離だけど、家の中で撮ることが多いから、ちょっと窮屈に感じることもしばしば。
35mmはそれよりちょっと広めで、どこかを注視することなくぼんやりと見ている感じに近いかな。カフェなんかで、向かいの席に座った人を、周りの雰囲気を含めて写すのにちょうどいい。50mmに比べるとちょっと歪みが気になることもあるけど、とりあえず35mmがあればだいたい対応できるっていう安心感、万能感はすごい。
うーん、どちらも捨て難い魅力があるよ。
X100Fが欲しい
ここまで書いてふと気付く。
FUJIFILMのコンパクトカメラ『X100F』は、35mm相当のレンズを持ち、ワンタッチで50mmにもできるんだよね。
すっばらしいよ!まさに僕が求めていたのはこのカメラだ!こんなファンタスティックなカメラがあったなんて!欲しい!
そう思った。思ったんだけど、思うだけじゃダメらしいのです。お金が必要なんだって。無いわけじゃない。でも僕の中の安全装置が「(妻に黙って)買ったらマズイぞ」と叫んでる。
そしてよくよく冷静に考えてみると、35mmと50mm、どっちを自分のメインレンズにするかで悩んでたわけで、1台で両方使えるってのは全然解決策になってないじゃないか。
それだったら今持っているGRだって、28mm、35mm、47mmで撮れる。やっぱGRを使い続けよう。それが一番平和だ。
そうして結局35mmか50mmか決められずに夜が更けてゆくのでした。
でもX100Fは本当にいいカメラだから、これからカメラ買う予定でしたら、ぜひ検討してみてくださいね。ふたつ買ってひとつはいなっちょにプレゼントしてもいいと思うぞ。