わが家の床板は無垢材だから、節(ふし)が結構あったりします。その節のひとつが微妙に引っ込んでまして、何の気なしにちょんと押してみたんですよ。
そしたら、スコッと、それはもう隠しスイッチかのごとく奥深く落ちていってしまったわけです。こういう時、RPGゲームだったらゴゴゴゴッとどこかの扉が開いて、中に宝箱があるはずなんだけど、どうやらそれはなさそう。残念。
とにかくかなりギリギリのラインでフシが引っかかってる状態。
マズいです。
この床板の下はコンクリート。外みたいなもんです。節が無くなったら冷たい風が吹き込んでくること間違いなしです。
しかし、下手に刺激すれば落下は必至です。
ここを任せられるのはダイソンしかおるまい。変わらない吸引力で吸い上げるのだ!
シュゴゴゴゴォー!
シュゴゴゴゴォー!
しかし何かに引っかかっているのか、あと1cmくらいのところから上がってくる気配がありません。
すると妻が。
何をおっしゃっておられるのかワカリマセーン。
次に考えた方法はこれ。爪楊枝を接着剤でくっつけて引っ張りあげる作戦。
そーっと接着剤を塗り、そーっと爪楊枝を固定。
硬化するのを少し待って、慎重に引っ張ってみます。
焦ると接着剤が剥がれて振り出しに戻ることになるので気をつけなくてはならない。
やはり何かに引っかかっているらしく、上がりそうで上がらない。微妙に引っ張る方向を変えたりしながらポイントを探ります。
何というかこの感覚は、サザエのつぼ焼きからきれいに身を取り出す時のあの感覚に似ている。ちぎれないように慎重に慎重に。
1本の爪楊枝では微妙な操作が難しく、それならばと2本目を投入!とりあえずこの日は時間も時間なので、翌朝まで接着剤が固まるのを待つことにしました。
翌朝。
2本の爪楊枝を華麗に操作して、ついにその時は訪れたのです!
やった!節の救出に成功したぞ!
節の周囲に木工用のタイトボンドを塗って接着。
こうしてわが家の床板の節救出作戦は無事成功したのでありました。めでたしめでたし。
とは言え、このままでは何の役にも立たない記事になってしまうので、節のことちょっと調べてみましたよ。
節には種類がある
節というのは木が成長する過程において、枝が幹の中に取り込まれてできるものです。その節にも種類があって、大きく分けると生節(いきふし)、死節(しにふし)があります。
『生節』は巻き込まれた枝の組織が周りの組織と繋がっていて、抜け落ちない状態の節。
『死節』は枯れた枝が巻き込まれたもので、周りの組織と繋がっていない状態の節。抜け落ちてしまうことがあります。これを『抜け節』と言います。つまり今回救出したのは死節というわけ。
節の少ない木材もあるにはあるけれど、お値段がとても高かったりしますし、節があった方が自然でいいんじゃないかなーと僕なんかは思うわけです。
【教訓】
死節はむやみに押してはならない。