プロがFUJIFILM X-T2を1年間使い倒して感じたことをまとめてみた

プロがFUJIFILM X-T2を1年間使い倒して感じたことをまとめてみた

2017年の頭から富士フイルムのミラーレスカメラ『X-T2』を仕事(主にウエディング)で使ってきました。巷では新しく発売された『X-H1』の話題で持ち切りですが、ここで1年間使用して感じた『X-T2』の良いところと悪いところを振り返ってみようと思います。

プロが〜とか書いてますけど、僕の場合はスナップ的な撮影が多いので、割と一般的な使い方に近いんじゃないかと思います。

結論から言うと、「細かい部分で使いにくく感じるところはあるけれど、ジャンルによっては十分に仕事でも使えるカメラ」でした。

使い始めた頃のレビューも参考にしてみてくださいね。

X-T2レビュー

プロでもメイン機として使えるミラーレス『FUJIFILM X-T2』のレビュー

2017年2月7日

良いところ

前回のレビューで良いなって感じたところは、基本的に今でも良いと感じています。

体への負担は減った気がする

やはりコンパクトで軽いというのは思っていた以上に素晴らしいです。特に結婚式の撮影のように、たくさんの機材を持って1日撮り続けるような場合は、その恩恵をひしひしと感じますね。

コンパクトだから仕事だけでなく、プライベートでも持ち出すことが増えました。デザインもクラシカルでかっこいいので、言い方はあまりよくないかもしれないけど、プロっぽく見えないこともあって、カフェなどでも周囲を気にすることなく撮影したりしています。

背面液晶を見ながらの撮影がとにかく楽

一眼レフを使っていた頃は、ファインダーを覗いて撮影していたので、ローアングルやハイアングルで撮るのが結構大変でした。

頻繁にかがんだり立ったりを繰り返し、時には寝転がって撮ったりもしていましたが、X-T2の「3方向チルト式液晶」はとにかく楽チン。3方向に動く液晶だから、横位置だけでなく縦位置でも無理な姿勢になることなく撮影できます。

スーツのヒザ部分の寿命も延びたはず。

いなっちょ
膝をついて撮影してるとあっという間にテカテカになるのよね。

最近はファインダーより背面液晶を使うことの方が多いくらい。

高性能な単焦点レンズが揃っている

プロがFUJIFILM X-T2を1年間使い倒して感じたことをまとめてみた

ズームレンズは1本も持っていないのでわからないけれど、FUJIの単焦点レンズの描写はなかなか優れていると感じます。開放から安心して使えるので、ちょっと暗いなって場面でもシャッタースピードが稼げるのもいい。

それでいてとてもコンパクト。SONYと決定的に違うのはここ。ボディの大きさは大差ないけれど、レンズの大きさはかなり違っていて、システム全体で見たらFUJIの方が圧倒的にコンパクトです。

バッテリーは縦位置グリップを付ければまあまあ持つ

購入当初のレビューではイマイチな点として挙げていたバッテリー持ちですが、決して良いわけじゃないけど、グリップを付けてバッテリー3個装着すれば1日は持つかなってところ。こまめに電源オフにしたりして気をつけていれば2000枚くらいは撮影できる感じ。自分の使い方では困らないということで、(思っていたよりは)良いところに入れてみました。

とは言え、最近のSONYの機種はFUJIの倍以上持つのでもうちょっと頑張ってほしい。

あと、わりと頻繁にグリップ内のバッテリーが認識されないことがあるので、そこらへんも改善してほしい。

純正バッテリーは高いので、互換バッテリーも追加して運用中。

悪いところ

センサー焼け

プロがFUJIFILM X-T2を1年間使い倒して感じたことをまとめてみた

以前にも書いたことがあるけれど、またしても「センサー焼け」が起きてしまいました。
気をつけていたつもりだったんですけどね〜。

太陽はミラーレス一眼の大敵

太陽はミラーレス一眼の大敵?センサーを壊さないために気をつけること

2017年2月17日

 

プロがFUJIFILM X-T2を1年間使い倒して感じたことをまとめてみた

アップにするとこんな感じ。(埃の付着がすごいな……。)
センサーの周りの黒い部分が焼けて、センサーの部分も白っぼくなってます。まだこれは軽症で、今のところ写りには影響ないようなのが救い。

「撮影時以外はレンズキャップを付ける」とか、「逆光で撮らない」とか、正直、仕事で使っているとそんなことは不可能です。

いなっちょ
そんなことしてたらシャッターチャンス逃すわ!

これは次の機種ではぜひとも対策をしていただきたい。もしかしたらミラーレスカメラでは避けられない問題なのかもしれないけど、SONYを使っている同業者からは聞いたことがありません。ネットで検索してヒットするのもFUJIの機種ばかり……。

SONYのαシリーズって、電源オフの時は絞り羽根が閉まってるのよね。FUJIは絞り開放になってるから、そういうのも関係してるのかな。マウントの設計上の問題とかでないといいんだけど。

たまーに書き込み不良が起きる

数千〜数万シャッターに1回くらいの頻度で、カードへの書き込みエラーが起こります。「この画像は再生できません」みたいなメッセージが出て、それまでに撮ったデータも見ることができなくなります。こうなるとそのカードは初期化しないと使えません。

幸い全てのデータが壊れるとかではないので、パソコンにコピーすればとりあえず大丈夫なのが救い。エラーになったカットはRAWかJPEGのどちらかが記録されていないので、RAW+JPEG同時記録の時だけに起きるエラーかもしれません。

忘れた頃に起こるエラーなので検証できてないんだけど、僕の個体のみの不具合かもしれないし、もしかしたらカードの方が原因かも。

AFがちょっと弱いところがある

キヤノンを使っていた時に比べると、レンズとの相性で前ピンだとか後ピンだとか悩むことはなくなりました。

でも完璧かというとそういうわけでもなくて、特に逆光の時とか顕著なんだけど、ピントが後ろに持っていかれることが多い印象です。

まぁ逆光が厳しいのは他のメーカーでも一緒だろうけど、もうちょっと精度が高いと嬉しいな。

あと僕はX-T2でスポーツを撮ろうとは思えないですね。これはボディだけでなく、レンズ側も影響しているだろうけど、動いているものを追い続けるのはちょっと厳しい。

シャッターボタンのクリック感

X-T2のシャッターボタンは、半押しと全押しの時にそれぞれクリック感のあるタイプ。個人的にはクリック感のないフェザータッチの方がブレにくいし好きなんだけど、それはまぁいいとして、この「クリック感のヘタリ」が気になります。

内部のスプリングか何かが弱いのかわかりませんが、使い込むうちに半押し時のクリック感がゼロになってしまいます。家電量販店の展示機もほとんどがヘタっている。

フェザータッチが好きって言ってたからよかったじゃないかとつっこまれそうだけど、それとは全然違くて、押しこむ時の抵抗感がなくなってしまうので、押してるのか押してないのかわからないんですね。

個人的に使いにくく感じる部分

ここからは良い悪いではなく、僕の使い方によるきわめて個人的な感想です。

ダイヤルについて

X-T2レビュー

ISO感度ダイヤルとシャッタースピードダイヤルはあんまり使わなくなりました。と言うのも、それらを回すためには手を大きく動かさなくてはならないんですね。

特に感度はレンズを支えている左手を一旦離さないといけなくて、頻繁に感度を変更する僕の使い方では煩わしく感じるのです。

シャッターダイヤルに関しては1段ごとの変更になるので、露出にシビアなデジタルでは結局コマンドダイヤルで微調整することが多くなって、「それなら最初から全速度コマンドダイヤルでいいや」ってなりました。

ところが、そのコマンドダイヤルが滑って回しにくいのです。
いえ、わかっています。
悪いのはカサカサに乾燥している僕の手の方だということは。

夏は問題なかったんですけどねー。冬は乾燥しますから。

ハンドクリームを忘れた時の絶望感(大げさ)と言ったらもう……。頑張って回そうとすると押し込んじゃうんですよね。

もうちょっと指掛かりのいい素材にしてもらえたら嬉しいです。

撮影した枚数がわからない

以前のレビューにも書いたけれど、X-T2の再生画面には「撮影したカット数」を表示することができません。僕は今どのくらいのペースで撮影しているのか把握しておきたいタイプなので、これは地味に困ります。調子に乗って撮りすぎて、後処理が大変になったりするし。

ファームウェアのアップデートですぐに改善するだろうと期待していたけれど、一向に改善される様子はありません。僕以外のカメラマンもこれ指摘してる人いるんだけど、みんな気にしないのかなぁ。

まとめ

ちょっと辛口なレビューになってしまったような気もするけど、それは仕事用の機材として酷使し、シビアに見た場合であって、全体的にとても完成度の高いカメラであるというのは間違いないと思います。少なくともそれまで使っていたCANONから乗り換えようという気になったわけですからね。

スポーツとか動きの速いものには向かないかもしれないけど、それ以外だったら仕事でも十分にメイン機として使えるレベル。もう少しだけ信頼性がアップしたら言うことなしかな。

ここで挙げた不満点のいくつかは、3月1日に発売になった『X-H1』で解消しているので、本当に気になる。

富士フイルムは今勢いがあるので、今後も魅力的な機種をたくさん出してくれるでしょう。嬉しいような困っちゃうような。(金銭的に)

 

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ABOUTこの記事をかいた人

一生モノという言葉にめっぽう弱い、クルマとキャンプ道具が好きな趣味に生きる男。 フォトグラファーやってます。 映画やテレビのロケに使えるくらいかわいい家を建てて、妻を三浦春馬に会わせてあげたい。